基本理念
市民のスポーツ文化の普及・振興、競技スポーツの強化及びスポーツに関する指導者・組織の育成を図ることにより、川崎市のスポーツ振興の核づくりに努め、もって明るく豊かな市民生活の形成に寄与します。
あるべき姿・進むべき方向性
スポーツに親しみ、楽しむことは、体を動かすことによる爽快感だけでなく、心身の健全な発達や健康・体力の維持増進、人と人との交流による地域の一体感や活力の醸成など、様々な効果をもたらすと言われています。川崎市スポーツ協会では、これまで川崎市が推進する「スポーツのまちかわさき」の一翼を担い、市民一人ひとりが健康で明るく、生きがいをもって生き生きと暮らすことができるまちづくりを共に目指すべく、市のスポーツ施策の中核として、様々なスポーツ事業を実施するほか、市と各競技団体をつなぐ中間支援の役割を果たしてきました。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機として、市民のスポーツに対する興味・関心が高まりを見せる中、昨今の社会情勢に目を向けると、超高齢化社会の到来や人口減少、地域コミュニティの希薄化など市民の暮らしを取り巻く環境も変化しており、スポーツへのニーズや求められる役割が多様化しています。
そのような中、スポーツを市民一人ひとりの生活に根付いた文化とするとともに、スポーツの力で市民生活の充実を図るため、川崎市スポーツ協会は、今まで以上に川崎市との連携を強化し、両輪となって、時代の流れに対応した更なるスポーツ施策の推進を展開していきます。
重点方針1:スポーツに参加する喜びの醸成
市民がスポーツを身近に感じ、もっと楽しむことができるよう、スポーツを「する」・「観る」・「支える」機会を創出し、多くの市民がスポーツに参加するきっかけを作ります。
基本施策1:スポーツ大会の実施
日頃の努力の成果を発揮し、競い合い、目標を達成する喜びを感じる機会として、また選手としての参加だけでなく、スポーツをボランティアや応援により支える機会として、各種スポーツ大会を開催します。
≪現在の実施事業≫(当年度の計画も含む、以下同じ。)
①かわさき多摩川マラソンの開催
②各種市民大会の開催
≪今後の方向性≫
引き続き、スポーツを「する」・「支える」機会として多くの市民が参加する大会となるよう、常に内容を見直して魅力的な大会運営を行うとともに、安全に安心して参加いただける体制を整備していきます。
基本施策2:競技力の向上
トップアスリートの活躍は、市民に夢や希望、感動を与え、競技発展の原動力となります。
川崎市からトップアスリートの排出の可能性を高めるための将来を見据えた取組として、加盟団体との連携・協力のもと、更なる高みを目指す選手の強化・育成を支援します。
≪現在の実施事業≫
①トップアスリート育成支援事業(育成・強化支援)
②スポーツ普及・指導者育成事業(スポーツ普及・振興)
≪今後の方向性≫
県・関東・全国レベルの競技大会で活躍できる選手を育成し、更に世界で活躍するアスリートの発掘を目指します。また、加盟団体の競技の枠にとらわれない支援の在り方を検討していきます。
基本施策3:ホームタウンスポーツとの連携
スポーツを「観る」ことは、手軽にスポーツに参加できる関わり方であり、ホームタウンで活動するトップチームの試合を観戦することで、スポーツへの関心や意欲の高揚が期待できます。
かわさきスポーツパートナーと連携し、トップチーム・選手に触れ合える機会の創出や積極的な情報発信を行い、市民がスポーツを「観る」きっかけを作ります。
≪現在の実施事業≫
①NECレッドロケッツふれあいバレーボール教室
②広報誌やSNSを活用した活動内容の紹介
≪今後の方向性≫
かわさきスポーツパートナーとの連携を深め、イベントや大会などで相互にメリットがでるような関係を構築してまいります。
重点方針2:誰もがスポーツ文化を豊かに享受できる環境の創出
年齢や性別、国籍、障害のあるなしに関わらず、多様なニーズに応じて、誰もが生涯にわたって日常的にスポーツに親しみ、そして楽しめる機会を充実していきます。
基本施策1:スポーツ文化の普及振興
スポーツ人口のすそ野を広げるため、ジュニア世代にスポーツの楽しさを体験させる取組を支援するとともに、普段スポーツに関わりのない人にもスポーツを楽しむ機会を提供するため、民間事業者と協力してスポーツイベント等を開催します。
また、幼児から高齢者まで各ステージに応じたスポーツ教室や事業を実施することで、様々な興味・関心に合わせた多様なスポーツライフスタイルを提案するとともに、スポーツを通した市民同士の交流の機会を作ります。
スポーツの普及振興等に功労があった個人や優秀な成績を収めた個人・団体を表彰し、市民スポーツの意欲の高揚を図ります。
≪現在の実施事業≫
①スポーツ普及・指導者育成事業(スポーツ普及・振興)
②各種スポーツ教室の実施
③子どもの体力向上事業
④こども相撲大会・学童泳力記録会の開催
⑤民間事業者とのコラボレーション企画
⑥表彰事業
≪今後の方向性≫
市民がスポーツに触れ合える機会の創出のため、体育館や運動場だけでなく商業施設などでイベント、教室、体験会を開催するとともに、既成のスポーツだけでなくアーバンスポーツ、eスポーツ、頭脳スポーツなどの調査研究を進めてまいります。
基本施策2:スポーツ指導者の育成・確保
スポーツ指導者の育成や確保に努め、市民がスポーツに関して適切な指導を受ける機会の提供を図ります。
≪現在の実施事業≫
①スポーツ指導者派遣事業
②スポーツ普及・指導者育成事業(指導者育成)
≪今後の方向性≫
指導者名簿を更新し、現在のニーズに合った指導者の育成、研修会の開催を行います。また、加盟団体以外の競技についても指導者登録を行い、派遣ができる体制を整えてまいります。
基本施策3:スポーツを通じた共生社会の実現
川崎市が進めるパラムーブメントのレガシーとしてすべての人が活躍できる社会を構築するため、様々な人が混ざり合ってスポーツに参加し、楽しめる機会を創出します。また、心のバリアフリーを推進するため、特に障害者スポーツ(パラスポーツ)の理解と普及を進めます。
≪現在の実施事業≫
①かわさき多摩川マラソンにおける障害者参加の促進
②かわさき多摩川マラソン参加者案内の多言語化
③パラスポーツの普及と体験事業
≪今後の方向性≫
今後も合理的な配慮のもと、スポーツに参加するにあたっての障壁を取り除くことで、様々な人が混ざり合ってスポーツに参加する機会を創出するとともに、心のバリアフリーを推進することで、すべての人が尊重され、健康で明るく、活き活きと豊かに暮らすことができる社会の実現を目指します。
【重点方針3:内部組織の強化と外部組織との連携促進】
川崎市のスポーツ施策の中核としての役割を果たすため、スポーツ協会内部の財政基盤の強化と組織体制の充実に取り組みます。
これまで、川崎市や加盟団体、総合型スポーツクラブと連携した取り組みを進めてきましたが、地域スポーツを推進するため、更なる外部組織との連携を促進します。
基本施策1:スポーツ施設等の管理運営
スポーツ活動普及・推進の基盤とするため、スポーツ施設等の管理運営を受託します。
≪現在の実施事業≫
①宮前スポーツセンター
②多摩スポーツセンター
③青少年の家
≪今後の方向性≫
新たなスポーツ施設等の指定管理公募への参入や運営協力を進めてまいります。また、各区・地域の特性を活かしながら市民へのスポーツ文化の普及・振興を一体的に推進するため、各区のスポーツセンター等の運営に積極的に関わります。
基本施策2:財政基盤の強化と組織体制の充実
財政基盤の強化のため、経営会議を開催し経営状況のチェックを随時行います。また、新たな自主財源確保のためスポーツ施設の管理運営を受託するための調査・研究を実施します。
職員の資質向上のため、意識改革と知識の習得・技術の向上を図る研修・研究会への参加やOJTによる人材育成を行います。
≪現在の実施事業≫
①経営会議の開催
②自主財源の確保
③定期的な事務局会議の開催
④内部研修の実施、外部の研修会への参加
⑤経営改善及び連携活用に関する取組評価の実施
≪今後の方向性≫
財政基盤の強化のため、収益獲得事業を実施するほか、国等の外部資金の獲得を目指します。また、コンプライアンス研修を行い、法令遵守の徹底に取り組むほか、マルチな事業運営ができるよう様々な分野の研修会へ参加し、組織体制を充実していきます。
指定管理施設等における自主企画のスポーツ教室による収益の確保や、企業等からの広告料・協賛金の獲得など、自主財源の確保に取り組みます。また、賛助会員の新規会員の拡大を図ります。
施策・事業の成果や効率性を視点として、職員の意識改革、業務の評価・改善に取り組み、効果的・効率的な業務運営を推進します。
基本施策3:広報事業の充実
市民や関係団体がスポーツを「する」・「観る」・「支える」ために必要な情報を得ることができるよう、各種の情報媒体を活用して、市内のスポーツ情報を迅速かつ正確に提供します。
≪現在の実施事業≫
①広報誌「スポーツかわさき」の発行
②ホームページの更新
③Twitter、Youtube、Facebookによる情報発信
≪今後の方向性≫
川崎市と連携を図りながら、スポーツ情報を集約し、様々な広報媒体の特性を活用して効率的かつ効果的なスポーツ情報の提供を行います。
情報発信にあたっては、内容の充実はもとより、視覚的にも分かりやすいものとなるよう取り組みを進めます。
基本施策4:外部組織との連携促進
市内スポーツ施策を推進するため、市や加盟団体、総合型スポーツクラブと連携した取り組みを行います。
更に、地域スポーツを推進するため、学校や市内スポーツ団体、産業・福祉・医療・観光等、様々な分野の主要な団体との連携を促進します。
≪現在の実施事業≫
①市との定期連絡会の開催
②加盟団体、スポーツ団体、スポーツ少年団等の運営支援・相談
③川崎市総合型地域スポーツクラブ育成連絡協議会との連携による総合型地域スポーツクラブの育成支援・相談
≪今後の方向性≫
スポーツを核とした地域活性化を持続的かつ発展的に取り組むため、多様な主体との連携を強化し、スポーツコミッションの設立など、それぞれが持つ情報・課題・人材・財源を共有することができる新たなプラットフォームの形成に向け、主体的な役割を担い、取り組んでいきます。
【令和2年5月18日策定】
【令和3年7月30日改定】
【令和4年5月13日改定】